当院ではシャント管理を行う方法として超音波(以下エコー)とHD02(ニプロ社製 透析モニター)を用いて評価を行います。当院で行えるこの2つの方法でシャントトラブル(狭窄、再循環)を早期に判断し、穿刺困難ならびにシャント閉塞の予防を目的として検査を行っております。
エコー検査は被爆の心配もないので透視のレントゲンとは違い安心です。
【エコー検査装置】
東芝メディカルシステムズ Xario
当院にあるエコー機です。高画質の超音波機器で、シャント血管の狭窄や閉塞はもちろんのこと、血流量や血流パターンを解析することで、シャントトラブルの早期発見に有用しております。
シャントマップ
当院ではシャントエコーを行った患者さまに関してシャントマップ(下図)を作成しております。穿刺を行う際の補助になると思われます。
外科的治療(手術)を行った方に関しましては定期的にエコーで狭窄などの問題部位が再狭窄など悪化していないかシャント血流に問題がないか確認をしております。
当院でのシャントマップは腕の写真を撮影し、穿刺が可能な場所、狭窄部をエコーの写真と一緒に作成して管理をしております。
現在、当院ではブラッドアクセス(内シャント)作製※1とエコーガイド下血管形成術(以下PTA)※2でシャントトラブルを可能な限り、当院で行っております。ただし、エコーでのPTA手術が難しい症例、入院が必要な手術(鎖骨下静脈の狭窄)に関しましては大学病院に御紹介をしております。
※1
自己血管(動脈-静脈)や人工血管(グラフト)を用いたブラッドアクセスを当院では行っております。他に穿刺困難の方にはグラフトバイパス(静脈-静脈)を行っております。
※2
エコー下PTAは『飯田橋春口クリニック 春口洋昭先生(http://www.h-vas.com/)』が行っている治療を指導のもと、現在、当院では同方法で自己静脈(前腕(腕)~上腕(肩近く)(鎖骨下静脈は除く))ならびにグラフト内狭窄に対してPTAといって風船でひろげる治療を行っております。
当院では風船でひろげる場所には十分に局所麻酔を行い、PTAを行っております。
PTAの際にエコーガイド下で麻酔を行うことが当院で行うPTAの特徴です。それにより痛みが最小限におさえられます。