過活動膀胱は「急に我慢できないような尿意が起こる」「トイレが近い」「急にトイレに行きたくなり、我慢ができず尿が漏れてしまうことがある」などの症状を示す病気です。最近の調査で、男女に関係なく、とても多くの方がこの病気で悩んでいらっしゃることがわかりました。
動画で解説
過活動膀胱〜患者さんは本当に過活動膀胱なのか【2022年10月4日講演会】
【昼間頻尿】症状・検査・治療(行動療法:骨盤底筋訓練)
症状
- 1尿意切迫感
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急に尿意を感じて、漏れそうで我慢できないこと
- 2頻尿
- トイレが近い、特に夜中に何度もトイレに起きることを夜間頻尿といいます。
人がトイレへ行く回数は、日中で5~7回、寝ている間は0回が正常と言われています。頻尿とは日中8回以上トイレに行くことを言います。夜間頻尿とは夜眠りについたあと排尿のために1回以上起きることで、特に夜間3回以上トイレに行くと、睡眠不足となり、日常生活に支障をきたしてしまいます。日本には四季があるので、時期によっても差はあると思われます。 - 3切迫性尿失禁(尿漏れ)
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尿をしたくなり、トイレまで我慢できずに漏れてしまうことがある。
尿意切迫感だけでなく、場合によってはトイレまで我慢できずに尿が漏れてしまうこともあります。
検査・診断
- アンケート(過活動膀胱症状スコア OABSS)
- 患者さんの症状が一番で当院では必ず記載していただいております。
- 尿検査
- 特に膀胱炎を否定する目的です。
- エコー(超音波検査)
- 残尿測定といい、排尿後に膀胱の中に尿が残っていないか確認する検査です。神経因性膀胱といい、膀胱の機能に支障があり、排尿がしっかり出来ない病気ではないか判別するためです。
場合によっては、『排尿記録日誌』を記載していただきます。1日の排尿量と1回排尿でどの程度膀胱にたまるのか?水分はどの程度飲んでいるのか?などを書いていただくものです。
治療
- 1行動療法
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膀胱訓練
トイレに行きたくなっても、少し我慢をする訓練です。これにより膀胱にたまる尿量を増やすことで頻尿が治ります。
骨盤底筋訓練(骨盤底筋体操)
尿道を締める力を鍛える体操です。尿もれにも効果的です。
- 2薬物療法
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ここ数年でたくさんの過活動膀胱の内服薬が開発され、使い分けが必要になっております。
内服薬ではベシケア、ウリトス、デトルシトール、ベタニス、ベオーバ、トビエース、貼り薬にはネオキシテープがあります。上記薬によっては口渇、便秘などの副作用がありますので慎重に内服薬を選択させていただきます。夜間頻尿で来院され、原因が睡眠障害であった例もたくさんあります。まずはご相談ください。
!注意
薬によっては①妊婦・授乳している方、②閉塞隅角緑内障の方には処方できないものがございます。
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