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脂質異常症について

 脂質異常症(高脂血症)とは、血液中の脂質、コレステロールや中性脂肪が多すぎる状態です。近年、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)が低い状態も、同様に問題であるとの観点から、脂質異常症と呼ばれるようになりました。

 動脈硬化疾患予防ガイドライン(2007年版)の基準である、中性脂肪、LDLコレステロール、HDLコレステロールを用いた判定での、「脂質異常症(高脂血症)が疑われる人」は約4,220万人(厚生労働省発表平成18年 国民健康・栄養調査の概要)となっております。さらに、国民健康・栄養調査から見ると、男性は30代から、女性は50代からほぼ2人に1人が高脂血症の状態にあると考えられます。しかも、自分が高脂血症であることを自覚していない方が多く、自覚している人はわずか30%にすぎないといった調査もあります。(平成11年国民栄養調査)

脂質異常症への対策

 一部には特殊な遺伝子異常や他の病気に伴って現れるものもありますが、ほとんどは多くの生活習慣に関連した原因が重なって発症してきます。原因としては、過食、高脂肪食、運動不足などの悪い生活習慣や、それに伴う肥満があげられ、食事のコントロールが非常に重要となります。

適正なエネルギー摂取

適正なエネルギー摂取が基本です。以下の計算式で計算します。

適度な運動

 食事とならんで重要なのが運動です。エネルギーを上手に消費するためと、全身の血行をよくするために行うので、ハードな運動をする必要はありません。酸素をたくさん消費しながら行う有酸素運動が効果的です。ウォーキングが最適です。

禁煙

また禁煙も非常に重要です。

 生活習慣を改善しても血中脂質の数値が高いまま下がらない場合には、動脈硬化、さらに心筋梗塞や脳梗塞、閉塞性動脈硬化症へと進む危険性が高くなるため、薬物療法も行うことになります。