むくみについて
むくみは、組織中に水分がたまったことにより認めます。通常は足首や足の腫れやむくみが最も顕著となりますが、腹部、腰背部、手、顔などにも発生し、体重増加にもつながります。むくみが重症化すると、肺に水がたまって呼吸困難を引き起こすこともあります。
むくみの原因には様々な病気があり、主に腎臓病、心臓病、肝臓病、下肢静脈の血栓、外傷、感染などが考えられます。
腎臓の場合は、腎不全となり余分な水分やナトリウムが排出できなくなるとむくみが起こります。むくみはまた、腎臓病によって血液中に含まれるタンパク質(特にアルブミン)が大量に尿中へ漏れ出てしまう場合にも発生します(ネフローゼ症候群)。血液中のアルブミン濃度が大きく低下すると、血液中の水分が組織に漏れ出るようになるためにむくみが起こります。
足のむくみがある方は夜間頻尿になることがあります。
また心臓の場合は、心不全(心臓から十分な血液が全身に送り出されなくなった状態)に陥り心臓に戻れなくなくなった血液が肺や足に蓄積されたり、腎臓に対し塩分と水分を保持するように指示する信号が送られた結果、組織中に塩分と水分が蓄積されむくみが起こります。
進行した肝疾患があった場合でも、腎臓に対して塩分と水分を保持するように指示する信号が送られる結果、血液中のタンパク質が減少し、組織中への水分の漏出が促進されむくみが起こります。
一方むくみが四肢の1本だけに認められる場合、原因は腎臓、心臓、肝臓などの問題ではなく、その四肢に関連したもの(静脈内の血栓、外傷など)が考えられます。
原因を調べるためには尿検査や肝臓および腎臓の機能を調べる血液検査が行われます。心不全が疑われる場合は、胸部X線検査や心電図、場合により心エコー検査が行われます。ネフローゼ症候群を診断するため、尿検体中のクレアチニンに対する総タンパク質の比率を計算することによって、尿中へのタンパク質の漏出を評価する場合もあります。