膀胱炎
症 状
トイレが近い(頻尿)、トイレに行ったのに膀胱のあたりに違和感がある(残尿感)、排尿をするときに痛みがある。など。
ひどくなると尿が赤くなる(血尿)、高熱や背部痛(左右どちらかの腰の痛み)があった場合は腎盂腎炎が疑われます。その場合、抗生剤の点滴などの治療が必要となります。
検査・診断
当院では再発する膀胱炎(難治性?)に対して検査・治療をしております。他の施設で膀胱炎の治療をしていてもなかなか治らない患者様が来院されることがあります。長い間抗生剤を内服してもすぐに再発してしまう患者様はご相談ください。
当院ではまず尿検査で炎症がないか確認します。炎症があれば尿培養(検査)を行います。この検査は大切な検査で原因の細菌を見つけ、その細菌に効く抗生剤を確認する検査です。それによってピンポイントで効く抗生剤を選択します。
膀胱炎の再発してしまう患者様の中には結石(膀胱結石、腎結石など)や、膀胱の機能異常(無意識で尿がうまく出せない。おしっこをしたのに残尿感などが原因で膀胱炎になっている方がいます。その場合はエコー(超音波)などでその原因をみつけて解決する必要があることがあります。まれではありますが、膀胱がんや男性の場合、前立腺がんでも尿の濁りから発見されることもあります。
治療薬でよく市販薬、漢方薬を内服しても改善しない方是非受診をお勧めします。
膀胱炎に関してはまずご相談ください。
少し難しい話になりますが、海外でも米国臨床検査医学会 (CLSI) がESBL(Extended-spectrum β-lactamase)大腸菌の膀胱炎についてとりあげています。この大腸菌は抗生剤が効きにくく、難治性膀胱炎の原因菌の一種です。最初の抗生剤の選択は非常に大切なのです。
動画で解説
急性膀胱炎
実際、外来でおこなっている検査、治療方針について解説しており、膀胱炎の治療に従事している方、膀胱炎をどうしても治したい患者さまに参考にしていただけましたら幸いです。
慢性膀胱炎
なぜ治らないのか?予防方法は?
!膀胱内部の画像が含まれております。閲覧にはご注意ください。
腎盂腎炎
~膀胱炎から悪化して腎盂腎炎になることがあります。
~特に糖尿病の方、免疫力が低下している方、腎結石をお持ちの方の膀胱炎には注意が必要です。
膀胱炎は発熱しませんが、腎盂腎炎は発熱(さむけ)、腰の痛み(ほとんどは左右どちらか)がおきます。人によって他の症状が出る方もいます。特に夕方から夜中に体温38度まで発熱することがあります。
メカニズムとしては腎臓で作られた尿は尿管を通り、一旦、膀胱にたまります。
それが、腎盂腎炎の場合は膀胱炎で膀胱にあった細菌が逆に尿管を登って腎盂に到達して炎症を起こします。例えるなら鯉の滝登りに似ています。
検 査
尿検査、尿培養(原因菌は何か)を行い、血液検査をする場合もございます。
当日にできる限り検査を進めて早急に対応いたします。
治 療
基本的に抗生物質の点滴となります。その方が内服薬より治るのが速いと思われます。当院では外来のみで治療を行います。
用語補足
※1 頻尿(ひんにょう)
尿が近い、尿の回数が多い」という症状を頻尿といいます。一般的には、朝起きてから就寝までの排尿回数が8回以上の場合を頻尿といいます。しかし、1日の排尿回数は人によって様々ですので、一概に1日に何回以上の排尿回数が異常とはいえず、8回以下の排尿回数でも、自身で排尿回数が多いと感じる場合には頻尿といえます。
※2 残尿感
残尿感とは、文字通りおしっこをした(排尿)後も、尿が出きっていない感じ、残っているという感じ、があるという症状です。実際に尿が残っていることは少なく、尿を出すための膀胱の働きは通常は正常です。排尿を行った後も実際に尿が膀胱にまだ残っている状態を「残尿」と呼びますが、「残尿感」とは実際の残尿の有無とは関係なく、膀胱炎などで自覚する症状です。