からだの粘膜や粘液、痰、胸水、腹水、胃液、尿などには、臓器の剥がれた細胞が混じっています。これを特殊な液体で染めて、顕微鏡で観察し、正常なものと比較する検査が細胞診です。
病気の診断のほとんどは血液や尿の検査、画像診断などでつけられますが、腫瘍が発見され、それが良性か悪性(がん)かを判定するのが困難な場合は、細胞診が決め手になることがあります。
【細胞診結果の見方】
細胞診の判定はパパニコロウ染色という方法がよく用いられ、以下の5段階で行なわれます。
- classⅠ(クラス1)… 異型細胞が認められない。正常です。
- classⅡ(クラス2)… 異型細胞は認められるが、悪性の疑いはない。(例:炎症など)
- classⅢ(クラス3)クラスⅢ … 異型細胞は認められるが、悪性と断定できない
(Ⅲa:おそらく良性異型 Ⅲb:悪性を疑う) - classⅣ(クラス4)… 悪性の疑いが濃厚な異型細胞を認める
- classⅤ(クラス5)… 悪性と確定できる異型細胞(癌など)を認める
★classⅠまたはⅡだから膀胱がんや腎盂・尿管がんが100%否定できるものではありません。
この検査では一部の尿での検査ですので定期的な検査は必要です。
検査結果の判定
肉眼的血尿は基本的に原因を見つける必要があります。
Ⅰ、Ⅱであれば陰性で異常なしと判断されますが、Ⅲであれば疑陽性で、癌かどうかの判別が難しく、次の月での再度検査が必要になります。
Ⅳは陽性で、ほぼ癌と診断されますが、念のため精密検査(膀胱鏡など)が行なわれます。
Ⅴは明らかに癌と確定されます。
TUR-Bt(経尿道的膀胱腫瘍切除術)を行い、病理組織をみてから確定診断となります。